瑞穂区

【瑞穂区ノベル】➀『晴れ舞台~白い通り~』

みずほん 瑞穂区

 

繁華街を南北に貫く白い通り。

 

 

繁華街と言っても大した規模ではない。

 

 

でも、地元民からしたら愛すべき街だ。

 

 

ゆかりのない人の琴線に触れることはないかもしれないけど、

 

 

そこに生まれた人間には特別な場所である。

 

 

 

 

そんな繁華街を北と南に持つ白い通りは、

 

 

ひたすら真っすぐに伸びているが、

 

 

普段は何の感情も抱かない。

 

 

でも、この通りには年に一度、

 

 

日本中から、

 

 

いや、

世界中から光を集める日がある。

 

 

それはマラソンの日だ。

 

 

マラソンの起源も知らないし、

 

 

走るのなんて大嫌いな人だって、

 

 

白い通りが光を集める、その日は少しワクワクする。

 

 

人がただ黙々と走り続ける。

 

 

そんな姿にどうして人は魅了されるんだろう?

 

 

理由は良くわからないけど、

 

 

正月のほぼすべての時間を、

 

男たちの走りを見る時間に使い果たす人間の行動から、

 

人は人が走るのを見ることで何かを刺激されるのだと思う。

 

 

その白い通りも人々を魅了する風景の一部となる。

 

 

 

 

むしろ白い通りはランナーを際立たせる。

 

 

白い通りはなんか速く走って見える。

 

 

いや、本当に速いんだけど。

 

 

黒い道より速く走って見える。

 

 

真偽は分からないけれど、

 

 

それを立証する論文が、

この世のどこかで見つけられそうなくらい速く見える。

 

 

白い通りは川を渡り、警察を過ぎ、いくつもの駅を超えて先へ続く。

 

 

どこまで続くんだろう?

 

 

どこまで白いんだろう?

 

 

私は途中にガスからできたビルや、

 

 

野球場があることしか知らない。

 

 

どんな意味か忘れたけど、

 

 

もしかしたらローマまで行くのかも。

 

 

この通りの行く先を想像するだけで少し楽しい。

 

 

 

何気ない日常の中にある白い通り。

 

 

晴れ舞台はもうすぐだよ。

 

 

今年も光が当たる。

 

 

いつもよりは弱いかもしれないけど。

 

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